皆様はじめまして。広報の川口と申します。
徐々に秋らしさが深まっていくはずなのですが、まだまだ残暑が続きますね。
さて、今回は先日(先日…?)行われたFeminism Openのブログ記事となります。
徐々に秋らしさが深まっていくはずなのですが、まだまだ残暑が続きますね。
さて、今回は先日(先日…?)行われたFeminism Openのブログ記事となります。
大会から記事掲載まで非常に時間が空いてしまい申し訳ありません。
TD兼DCAを務めた倉田芽衣さんからの寄稿文です。大会の開催から当日の様子、細やかな論題解説まで、倉田さんの熱いフェミニズムに対する想いが伝わってくる非常に読み応えのある記事です…!
それではお楽しみください。
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はじめに
今回フェミニズムに関する論題でディベートする、という大会を開催できたことは大変喜ばしいことでした。運営メンバーとフェミニズムに関連する問題について考える場を作れて、とても楽しい数ヶ月を過ごせました。高校時代に開催した部内大会を除けば、私にとって今回の大会が初めて運営側に立たせてもらう機会でした。こんなに経験がない私の、フェミニズム論題についてじっくり考え学ぶ機会を設けたい!という願望を実現してくれた皆様に心から感謝しています。
また、私にとってフェミニズムに関わる問題について自ら調べ、自ら学び、様々な状況や痛みを想像し、意見を発信してみるというのは、それ自体が既にフェミニスト的行動であると信じているため、そうした場を設けることが出来たこと自体に大変満足しています。
そんな今回の大会開催において、TDとして、参加された皆様や日本のディベートコミュニティに届けたかった思い(の一部)を書いてみました。少しでも既に伝わっていたら幸いですが、この寄稿を読んでいただけたらより詳しく分かるかと思います!
1.大会ロゴについて
2.事前配布資料について
3.論題について
4.副賞の図書について
の4点について書きました。論題についてでは、それぞれのモーションの簡単な解説も書きました。復習などにご利用ください。最後の著書のリストも今後のジェンダー、セクシュアリティなどが話題となるモーションに向けたリサーチにもしかしたら役立つかもしれないのでもし良かったら参考にしてみてください。
1.大会ロゴについて
本大会のロゴはメディアディレクターの知念くららさんに作成してもらいました!コンセプトは日本ディベートコミュニティにフェミニズムの波を起こそう!という感じです。作成する時に参考にしてもらったキーワードは、「優しさ」「学び」「Intersectionality」「ポジティブエネルギー」などでした。
ちなみに元の参考にした絵にはゴジラが居ました。
色合いも可愛過ぎず尖りすぎず、ラインも優しいけども元気に溢れていて、波をモチーフとしたデザインもフェミニズムの波を連想させる最高すぎるデザインだと思います。
ステッカー作れば良かったかしら!今からでも遅くないかな……笑
欲しい方は倉田芽衣までご連絡ください!作ります。
2.事前配布資料について
事前配布資料はCAの浦野君を中心にACチームで書きました!
目次としては、
Foreword: On Feminist Academia, Activism and Debating
Chapter 1: On Intersectionality
Chapter 2: On Different Types of Feminism
Chapter 3: On Feminism and Waves
という感じでした!
Facebookの浦野くんの投稿を読んでもらえれば分かると思うのですが、フェミニストモーションをディベートするにあたって押さえておくと良さそうなテーマを厳選して読みやすいように数ページにまとめて執筆いたしました!
全体を通して、「フェミニズムって色んな人が色んな形で体現し紡いできたムーブメントなんだよ!だからそういう多様性を鑑みた分析はより良いディベートをきっと作るよ!」というintersectionalityをゴリ押ししたメッセージが少しでも伝わっていたら幸いです。
良くフェミニズムモーションのディベートを聞いていて思うのは、「あ〜、またフェミニズムを一枚岩的なふんわりしたムーブメントにしてる〜」とか、「もっと他にもアクターいるよ〜」とか、「このモーションは波で分けるよりラディカルフェミニズムとリベラルフェミニズムの対立のが分かりやすいんだけどな〜」みたいな、おそらくジェンダー学オタク故の感想なんですけど、今回四人で作成した少しの資料だけでも、だいぶフェミニズムモーションでのイラストやクッキーカッターの幅が広がるかなーって思います!
3.論題について
今回全てのモーションを通じて心がけていたのは、
・古典モーションのように争点が分かりやすいのでイラスト勝負になってくるいかにもパーラメンタリーぽい試合が出来そうなモーションにすること
・フェミニズム=一枚岩的な分析ではなく、インターセクショナルな分析が必要となってきたり、そういう分析が出来ると議論が深まるモーションにすること
・性暴力や性差別などのトラウマを持っている当事者もディベートが出来そうなインクルーシブなモーションにすること
・ぱっと見ロックな感じをなるべく大事にすること
・モーションの前に出すクオート
の5点です。
では、簡単な論題解説をしていきます!
[Round 1]
Theme: “How stupid that all I have to do is grow two squishy lumps and suddenly I'm man's best friend.” - Christine Hppermann
Motion: As feminists, THS all forms of self-commodification of one’s sex appeal, including but not limited to sex work, escorting, sugardaddying/mommying, and starring in porn videos.
争点: 自分の色気などを使って商売することをフェミニストとして推せるか推せないか
この争点に全て集約されると思うのですが、もう少し細かく議論を分けると、
①自分の性的な魅力を使ってお金を稼ぐことは現状どういう社会的な意味があるのか
②いわゆるソフトからハードな性産業に携わる人達はどのような扱いを受けているのか
③フェミニズムって何を優先したいの?まず性的な魅力を女性に期待しないノームを作ること?性的に魅力的でもそれは性行為への同意ではないというノームを作ること?性産業や性的サービスに対する社会的評価を上げること?これらのゴールを目指すことは相容れるの?
④Self-commodificationを支援するとslut shamingなどから逃れたい人や地味な服装をしている人などが辛い思いをする?
⑤そもそもself-commodification of one’s sex appealをしている人には様々な層があり、パパ活を楽しんでやっている人は断れるからいいけど、お金のためにやむを得なく従事している人達のself-commodificationまでlegitimate choiceになってしまうと生活保護に頼ったり学校教育などをより充実させていくことが難しくなるのでは?そもそもフェミニズム運動などに参加出来ない貧しい女性達がprivilegedなフェミニストの主張のせいで守られなくなってしまうのでは?
⑥Self-commodificationは果たして常に同意の元行われているのか?当事者達はどれくらい自分のプロデュースを主導的に出来るのか?買い手の嗜好や意向はどれくらいハームフルなのか?
⑦性的な魅力の売り買いでの富の再配分は性的な魅力という点で優れている人が頂点たつ極めて不平等な配分方法でないか?一番弱い人からupliftしたいintersectional socialist feministとしてそれは推せる?
⑧フェミニストは様々な人間関係における平等性を求めている。お金の受け渡しが発生した瞬間に雇用主と労働者という非対称的な人間関係が生じてしまうので、性愛的な関係においてself-commodificationは推せない
などがあると思います。
ちなみにテーマに使ったクオートの意味はおっぱいがあるだけで魅力的になるのくさぁ!みたいな感じです。性的魅力という概念のへんてこさを笑っていますね。うふふ。
Keywords: sex work, slut shaming, bra burning, pornografication
[Round 2]
Theme: “There's no reason why a society consisting of rational beings capable of empathizing with each other, complete and having no natural reason to compete, should have a government, laws, or leaders.” - Valerie Solanas
Motion: THBT Japanese feminists should advocate for the abolition of the Imperial system (天皇制) as opposed to advocating for the inclusion of female imperial members in the line of succession for the Imperial throne.
争点: 日本人フェミニストとして天皇制廃止を推す?
①天皇制ってなに?少数が多数の税金によって生かされているっていう構造フェミニストとして頂けなくない?
②天皇制に反対するとどんなバックラッシュを受ける?
③日本の今の政治状況的に天皇制廃止を声高に叫ぶと自民党政権が既に強いからフェミニスト政治の勝ち目現状よりさらになくならない?
④天皇家に生まれたことでの人権被害やばくない?フェミニズムって人権守りたいよね?その人権被害ってシステム廃止しないと解決できないの?
とかですかね!モーションの解釈として、女性天皇を日本人フェミニストが応援するべき理由は言っても言わなくてもオポーズは出来ますね!天皇制廃止は言わない方がええで!!!っていう理由があれば十分かな。
このラウンドのテーマクオートは天皇制とかだけじゃなくて最早アナーキーを謳ってますね。ヴァレリーソラナスさんはSCUM Manifestoの著者でもあります。SCUMの略はSociety for Cutting Up Menです。この方はいろいろロックで興味深いですよ!物凄く想像力が豊かで、patriarchyに対してとっても批判的な思考を巡らせてます。
Keywords: anarchist feminism, post-colonial feminism, imperialism, liberal feminism
[Round 3]
Theme: “The history of mankind is a history of repeated injuries and usurpations on the part of man toward woman.” - The Declaration of Sentiments and Solutions
Motion: THBT women who have experienced gender based discrimination are justified in committing misandry.
争点: 性差別を受けた女性は男性に対する差別を行なってもよいのか?
①被害者は無作為に男性差別をしていいの?直接的な加害者以外の人に対する差別は許されるの?
②被害者が加害者になることは正当防衛と同じと捉えられるの?
③現状、非男性が男性に比べ権力を持っていない状況において、どのような男性差別が起こりうるだろう?
④Why must one go high when they have stooped so low? In other words, why must one treat another person well when they have been so horrible as a group historically?
⑤憎悪を憎悪で返す時、どのような解決策が見いだせるだろう?被害を受けることを通して学べることはあるだろうか?
⑥社会全体での不平等を鑑みた上で、不平等に不平等で対抗する構図は富の再分配やアファーマティブ・アクションと相似ではないだろうか?
など!とても興味深い問題ですね。白人差別やお金持ち差別は本当に存在するのか?などの議論と似ているのは、社会における権力構造を鑑みた上で、持たざる者が持つ者に対抗するのは差別として弾劾されるべきではない、などの主張かと思います。少し違うのは、ジェンダーノームは男性も縛っていることから、必ずしもoppressorチームを選択して生きているわけではないということ。ただ、たとえ全ての男性を対象として無作為に差別行動を行っていたとしても、チームoppressorから主体的に外れようとしている、言わばフェミニストな男性はそこまで被害を実際には被ることはないのでは、という主張も興味深いです。あくまで、社会全体の権力構造の中での話をすることがこのモーションのポイントかなと思います。
Keywords: misandry, misogyny, horizontal violence, white tears
[Grand Final]
Theme: “The benefits of feminism for someone like my husband are fantastic. He can stay at home with the kids, he can take them to a park, he does the school run.” - Helen McCrory
TH as the feminist movement would advocate for the introduction of a socialized care system in which all people needing care (the elderly, people with disabilities, etc) are cared for by workers selected by a national draft system
争点:なぜフェミニスト運動はくじ引きケアワーク制度(徴ケアワーカー制)を推すべき・推さないべきのか
①どのような人達がケアワークをしているのか?→介護や保育などのケアワークを主にしているのは女性であったり家族?これの何がいけないの?
②ケアワークを社会としてどのように割り振るべき?→くじ引き制度?家族?プロに任せる?
③ケアワークが得意なのは女性だと思われてることなどのケアワークに関するイメージは現状どのような問題を引き起こしている?女性に押し付けられている?中年男性がケアワークをすると(保育士など)クレームが出たりするのもだめじゃない?女性が多く就いている職業の収入が低いのとも関連してる?
④くじ引き制度は本当に現状より平等なの?
⑤くじ引き制度はケアを受ける人達に適切なケアを施すことができるの?
⑥フェミニスト運動としてなぜ上記の点について頑張ることが大事なの?
みたいな感じです。あくまでフェミニスト運動はどうするべきかモーションなので、ケアワークの現状や新しく導入するシステムに関する議論を展開してもモーションを肯定否定するアーギュメントにはならないのが少しトリッキーなところでしょうか。現状についてや導入する制度の公平性などについて時間をかけすぎてしまいなぜフェミニスト運動がってところの分析が浅はかな感じだとちょっと残念なディベートかな〜と私は思ってしまいます。あくまで個人的な意見ですが。また、この手のモーションについては、無償労働、pink ghettoization、pink collar workなどのキーワードでリサーチするとより包括的に学べると思います。あとは、竹信三恵子氏の『家事労働ハラスメントー生きづらさの根にあるもの』も日本のケアワークや無償労働について学べるオススメ図書です。
Keywords: carework, pink collar, pink ghettoization, unpaid labor, emotional labor, socialist feminism
4.副賞の図書について
副賞の図書は運営チームとして参加したみなさんにとってなるべく多くの学びがあってほしいなと思い、基礎的な内容から発展的な内容、または現状起こっているフェミニズムに関連の深い社会問題のケーススタディ的な図書を選ばせてもらいました。
また、個人的にもジェンダーについて勉強するためのおすすめの図書を聞かれることが多かったので、読みやすそうな図書を選出いたしました。
なお、それぞれ簡単な紹介文を書いたので、興味をそそられた図書はぜひ読んでみてください。貸し出していなければわたしも一冊ずつ持っているはずので、聞いてください。また、今回副賞としてお渡しした方に聞いてみてください。おそらくどの本も大学の図書館にあると思います。なければ、リクエストしたらきっと取り寄せてくれると思いますよ!名著ばかりなので!
・Rey Chow. ”Not Like a Native Speaker: On Languaging as a Postcolonial Experience.“ Columbia University Press.
ポスト植民地学や映画批評でとても有名なデューク大学の台湾人女性の教授が書いた、翻訳など言語間を行き来するときに発生する権力関係に関する本です。英語でディベートをしていますよね。しかも英国議会での答弁を練習するためのゲームとして発生したスタイルで。そういう言語を介した様々な事象を新たな視点で批評できるようになる一冊です。ちょいむずかしめです。フェミニスト学のゼミとかで読むような本ですが、テーマがパーラディベートにぴったりな本だったので選ばせてもらいました。
・Malala Yousafzai. ”I Am Malala.” Little, Brown and Company.
みなさまご存知の2014 Nobel Peace Prize受賞者、マララ・ユサフサイ氏の自伝です。保守的な社会でどのようにしてマララ氏のようなヒーローが生まれたのか詳しく分かります。やっぱり親御さんのサポートや影響って強いんだなぁとか、でもマララ氏の弟くんじゃなくて、マララ氏がヒーローになったのは個性もあるんだなぁとか。マララ氏のことはなんとなくご存知の方は多いと思いますが、この本ではお父様のジアウディン氏についても知れますよ!
・ 姫野カオルコ『彼女は頭が悪いから』 文藝春秋
Contents warning: 性暴力事件に着想を得た小説です。
この小説は2016年に東大生5人が起こした集団性暴力事件に着想を得て、社会に批判された被害者の女子大生の視点から描かれています。スクールカースト、理系VS文系、男女のコンプレックス、偏差値至上主義などの様々な権力構造の中で主人公が翻弄され、様々な方向やステークホルダーから攻撃を受けてしまったことがあくまで、被害者を支援する視点で書かれています。
・Ashley Mardell. ”The ABC's of LGBT+” Mango.
・Feminism: A Very Short Introduction Oxford
・Sexuality: A Very Short Introduction Oxford
・American Women’s History: A Very Short Introduction Oxford
こちらはすべてとても読みやすくて簡潔な入門書です。中高生を想定して書かれているのでとてもわかり易いです。
・NHK「女性の貧困」取材班 『女性たちの貧困ー"新たな連鎖"の衝撃』幻冬舎
日本で働く単身女性の3人に一人が年収114万円未満であるということを、一人ひとりの貧困女性の生活の丁寧な取材と膨大なデータを通じて伝えてくれる一冊です。目を背けたくなるようなどうしようもできない貧困にシングルマザーとして、あるいは未成年女性として陥ってしまった女性達の現状を学ぶことができます。女性だからこそより貧困が辛くなる現象がどのようにしておきてしまっているのか、これを知っているといつかどこかのタイミングでより”正しい”判断や発言ができるかも知れませんね。
・遠藤まめた『オレは絶対にワタシじゃない』はるか書房
トランスジェンダー活動家の当事者による自伝を含んだ、ジェンダー入門書です。当事者でなくても、当事者であっても、うなずけるジェンダーに関連する問題に向き合わざるをえなかった遠藤氏の最新作です。遠藤氏には私も個人的にお会いしたことがありますが、とてもグラスルーツやLGBTの中でも最も弱い立場にあるとされる障害者や若者が困っている問題などを良く知っていて、日々活動されている方です。ツイッターもやっているので是非トランスジェンダーやLGBの最新も問題やニュースをしりたい方はフォローしてみてください。
・牧村 朝子『百合のリアル』星海社新書
牧村氏はレズビアンライフサポーターを名乗る、レズビアン当事者の漫画家・タレント・ライターです。noteでも定期的に届いた質問や悩み相談に答えるかたちで文章を投稿しており、自身のフランス人女性と結婚していたことについても漫画を書いています。彼女のとてもオープンで等身大なツイート、文章、漫画に惹かれてツイッターやnoteを読み始めました。この本も彼女の経験について知れるのかと思って買ってみたら、実際は性自認や性的指向についてどのようにアプローチするべきか、どうすればより多くの人がお互いにとって優しい社会にできるのか、というジェンダーセクシュアリティ入門的な著書でした!私が最近「ジェンダー/LGBT/セクシュアリティ関連でおすすめの本教えて!」と聞かれたら一番最初に紹介している本です。イラストも多く、また様々な登場人物がいるのでとても楽に読める本です。一通り勉強をしたことがある方も、一度読んでみると、全くジェンダーやセクシュアリティに関して知識がない人に説明するときにとても役に立つと思います!
・仁藤 夢乃『女子高生の裏社会「関係性の貧困」に生きる少女たち』光文社新書
・仁藤 夢乃『難民高校生 絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル』英治出版
上記の二作は一般社団法人Colabo(https://colabo-official.net/)という、家に帰れない、性的搾取に遭って逃げる場所がない、食べるものがない、親に暴力を振るわれている、などの悩みをもった女子小中高生を支援している団体の代表の方が自身の経験やコラボも活動を通じて出会った少女達のリアルを書き記した著書です。自分の過去や出会った少女達の人生に寄り添いながら、何が問題の根底にあるのか、どう支援ができるのか、社会のどういう人間達や思いが少女達を深く追い詰め傷つけてしまうのか。世代間を超えた貧困の再生産、虐待、通学困難、関係性の貧困、衣食住の欠如、知的障害、身体障害、精神疾患、望まない妊娠、性的・金銭的搾取しか頭にない夜の街の大人たち...様々なことが重なり合うインターセクション(交差点)に立たされている少女達の現状です。
・Chiamamanda Ngozi Adichie. “We Should All Be Feminists”
・bell hooks. “Feminism is for Everybody.”
著名な黒人女性フェミニスト学者による一般読者向けのフェミニズムに関する本です。アディーチ氏の著書はもともとTED Talkなので、是非TED talk版もご視聴ください。アディーチ氏の本の方が英語も簡単で、短く、読みやすいです。また、エマ・ワトソンの国連で発表したHeForSheスピーチにも少し内容や主張がかぶります。bell hooks氏の本はそうした男女を共に縛るジェンダーの圧力を、”white supremacist capitalist patriarchy”と読んでいます。全ての搾取的関係を正すまでは、フェミニズムのゴールは達成できないと主張しています。また、この著書を書いた当時はhooks氏は自身のセクシュアリティについてはカミングアウトしていませんでしたが、時間が立ってから再出版をしたさいに付け加えた序章では、自身がレズビアンであることも、抑圧や差別の一因となっていることについて言及し、white supremacist capitalist heterosexist cissexist patriarchyとしています。
・Judith Butler “Gender Trouble” (Routledge)
おそらく、今回の著書リストの中でも一番難解な著書です。とはいえ、一般読者も想定して書かれているので、この著書の主張であることの背景問題などについても触れています。もし興味のある方はぜひリーディングクラブを作って一緒に輪読会を開きましょう!オープンインビテーションなので、倉田までいつでもご連絡くださいな。
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個人的にも熟読させて頂きました(^^)
倉田さん、ありがとうございました!