2019年5月22日水曜日

JPDU Spring Tournament 2019に際して①~田村さんからの寄稿文~

みなさま、大変ご無沙汰しております。
長らく更新の日が開いてしまい申し訳ありません……。

JPDU広報の小林です。昨年度より引き続き、広報担当を務めさせていただきます。

今年もJPDU広報部はJPDUの主催する大会を中心に、様々な記事を更新して参ります。

JPDU新体制初(?)の記事はJPDU Spring Tournament、通称「春T」についてです!

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それでは本文へどうぞ👇
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KDSの田村です。優勝にあたって感想を認めた文章を寄稿してほしいとのことだったので文章を書いています。JPDUにしろKDSにしろブログに今まで7回くらい文章寄稿しているので流石に違う人がプラットフォームを使ったほうが有意義なのではないかなとは思ったものの、取りあえず僭越ながら個人的感想などを述べさせていただきます。


「これが伝えたい」という明確なメッセージが特に思いつかないので、細かい出場の経緯とかどういう練習をして大会に臨んだか、とかは省いて取りあえず大会の所感を箇条書きで書いてみたいと思います。


・危ない優勝だった

SFは3-2、GFは5-4というスプリットでぎりぎり勝ってつかんだ優勝だったので偶然と必然の内前者が寄与した割合が高い気がします。特にGFに関しては割と負けた雰囲気がチーム内に漂っていたので、結果発表の時に「5-2-1-1スプリットでベストスピーカーはDLO」「5-4スプリットで優勝は…」まで聞いた時は素で「あーあ終わったわ」と漏らしてしまいました。自分達のチームが呼ばれた時も、「嬉しい」よりも「あぶねええ」が先に出ました。間一髪、といったところでしょうか。


・結果に関して

 チーム優勝に関しては、「勝ってよかった」というよりも「負けなくてよかった」という印象が強いです。これでもう春T優勝目指さなくていいんだという解放感と、強い上の世代を倒して優勝したかったという寂寥感の混合により割と謎な感情になりました。一番大きかったのは、取りあえずチームメイトの期待には応えられて良かった、というものかも知れません。チーム優勝の写真とか見ても、自分だけほぼ真顔というか、普段の表情からの変化が一番乏しかったです。まあそれは自分が写真撮られるのが極限までに下手であるということが一番大きいかも知れませんが。

 一言に優勝と言っても大会や状況によってその受け取り方は結構変わります。最初に優勝した大会、めちゃくちゃ強いパートナーと組んで優勝した大会、n回目の優勝 etc. 幸いなことにチームや個人で表彰されることが多いのですが、大体の場合素直に喜ぶことが出来ないです。きっと自分以外の人を表彰してあげた方が喜ぶのだろうなと考えることが多いです。かと言って他の人に結果で負けてその座を譲る羽目になったら悔しいと感じるであろうことは目に見えていますが。

 個人の結果で言うと、自分の順位は去年と変わらず4位だったので萎えましたが、唯一チーム全員がスピーカープライズ入ったチームであるというのは嬉しかったです。あと上位10名中5人がKDSだったのは笑いました。

・JPDU大会制覇について

 春Tは優勝することを目標として出場したのですが、そもそも優勝したいと思っていた理由は、春T自体優勝したいというよりは、JPDUTを全て優勝したいというものでした。今回の春Tを以て、現存するJPDU運営の大会(かつ私が出ることが出来た大会)を全て優勝することが出来ました(Gemini Cup 2016, BP Novice 2018 Kanto(シャドーで一位), 春T2019, 秋T2017, 冬T2018)。敦さん調べによると春秋冬T全制覇は史上4人目(ニックさん富永さんトシさん)で、最短での達成らしいです。

 当然、「国内で勝つ≠強い」でありさらに言えば「大会で勝つ≠本当に強い」なのでJPDUT制覇したからってなんだと言われれば答えに困窮します。自分でも終わってみればなんでそんなに制覇したかったのか謎です。イメージとしてはクリアチェッカーが埋まってないのが気持ち悪い的な感覚だったのかもしれません。音ゲーやるときも、その曲が好きだからクリアするまで粘着するというよりも、クリアランプを埋めるために曲をクリアするみたいなプレイをよくするので正確に起因する現象なのかもしれません。当然好きな曲はクリアした後も何回でもプレイしますが(余談ですが今回のチーム名の Mare NectarisはBeatmaniaⅡDXに収録されている最難関曲の一つでありクリアしても何回もプレイしている曲です。かっこいいのでよかったら聞いてみて下さい)。そんな感じなので、優勝した大会にもう一度出るとかはモチベがあんまり湧かないタイプです。好きな人間と一緒に楽しむために出る、とかじゃない限りは。まあとりあえず来年春T出ないで済むので安堵しています。


・何のためにディベートするのか

 JPDUT制覇により、まあ多少は結果への執着が減ってくれるといいのですが経験上あんまりうまくいく気がしません。寧ろ優勝してしまったからこそ、次の大会で負けられないというプレッシャーもあります。

勝ちへのプレッシャーはスピーチの質にも大きく影響しうると思っていて、焦るからこそ逆に勝率の下がるスピーチになる上に、自分のしたいスピーチからも遠ざかります。プレッシャーがスピーチに影響した顕著な例は去年のJBP SFかなと思います。録音を聞きなおしても、早すぎるし噛みまくってるしでもはや何か違う競技のようでした。それに比べると今回の春TのSFやGFでは理解可能な言語で喋っていたので進歩だとは思うものの、別に自分がしたかったスピーチかと言われれば、別にそうではないかなとも思います。
 勝つためには「何をジャッジが欲しているのか」という視点でスピーチをする必要が当然あると思いますが、それは割と「自分が何をスピーチでしたいのか」に相反していて、ジャッジとしては小難しい哲学の話よりも直観に訴える具体的な話のほうがとりやすいなどの傾向があり、それに「自分が何をスピーチでしたいのか」が合致している場合を除いては「ジャッジのためにスピーチ」をするわけです。

 他人を説得する競技をやっておいて(かつその大会で優勝しておいて)いうのもなんですが、正直一般ジャッジやオーディエンスが何を話してほしいかなんて知ったことではないし、そもそもモーションも大半は個人的にどうでもいいなと思うことが多いです。この世で私にとって議論する価値があると思うモーションは死刑廃止、反出生主義支持、中絶廃止とかそんな感じです(他にももっとあるけど、9割のモーションには本当は興味ないです)。

 結局ディベートやっていて一番楽しいなと思う瞬間は、自分で思いついたアイデアを形にしてスピーチして、ジャッジの価値観を変える瞬間だと思います。ジャッジの価値観に自分のアイデアを合わせるのではなく。だからAsianよりアイデア勝負のBPのほうが好きだし(合っているかどうかは別にして)、自分で考えたエクステンション投げて勝つときが一番うれしいです。

 当然、「自分の言いたいこと」と「自分が言わなければいけない事(ジャッジに期待している事)」を適度なバランスで保ってスピーチできればいいのですが、過去に出来たためしがあまりないです。だいたい勝とうと思って空回りします。なので今回の制覇で結果への執着から解放されて、好きなことを言ってかつ勝つというスタイルをちゃんと習得できるようになればいいなと思います。結果を残しても周りの人はすぐ忘れます。沢山大会はあるし、時がたつにつれて結果は更新されていくし。それよりも、誰かの価値観を大きく変えて、その人の記憶にずっと残るような、ジャッジとしてのその人ではなく、その人個人を説得できるような、そんなスピーチを目指したいです。

Championの『Mare Nectaris』のみなさん with DCAのばばくん

 どのラウンドでも自分を信用してくれたパートナー二人と、練習に付き合ってくださった方々、そして大会運営に携わった方々全てに感謝します。


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田村さん、ご寄稿いただきありがとうございました!

次回も春Tについての記事を更新予定です!乞うご期待!

(そして春セミはもう少し先です……お待ちください……)

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