2018年11月30日金曜日

Japan BPに際して〜田村さんからの寄稿文〜

こんばんは。木對です。
最近すっかり寒くなってきましたね。犬と猫の温もりがないと、夜眠れなくなりました。

さて、先日11月24日〜25日に、Japan BPというJPDU主催のBPスタイルの全国大会が開催されました。

この大会はオープン大会で、学生から社会人まで、様々な方にご参加いただきました。ありがとうございます!

また、今年度のJapan BPは海外から多くのAdjudication CoreやInvited Adjudicatorを招待し、素晴らしい功績を残した方々にジャッジしていただく機会を参加者の方々に提供することに努めました。
特にCAを引き受けていただいたLeomarさんに対する感謝の気持ちは、言葉に表せないほどです。
Leomarさんをはじめとした海外・日本国内からの参加者の皆さん、ありがとうございます。

昨年度、AndreiさんにAdjudication Coreにご参加いただいたことも、この国際化に大きく貢献しているように感じております。
昨年のJBPを開催してくださった皆さんにも、この場をお借りして感謝の意を述べさせていただきます。

また、何よりもJPDUを代表してこの大会のOrganising Committieとして活躍してくださった皆さんのおかげで、参加者一同楽しい二日間を過ごすことができました。
Convenorの浦野さんをはじめとしたコミの皆さん、ありがとうございます。

長くなってしまいましたが、そこで本大会Champion & Grand Final Best Speakerの田村さんから、寄稿文をいただきました。
田村さん、パートナーのジュリアスさん、本当に優勝おめでとうございます!!!!!!!

素晴らしい文章ですので、是非とも御覧ください!

〜〜〜〜〜

大会終わり直後の武蔵境で榎本さんとケンタッキー食べている時が一番今回の大会を通して直接的な快楽の量が大きかったので、最近「大会の景品がトロフィーとかじゃなくて全部寿司券とかハーゲンダッツ券だったらいいのに」と考えている田村です。エナジードリンクでも可。今回直接の先輩であるれなぴょんさん(ブレイクおめでとうございます)からの記事執筆のオファーを頂いたので、恐れ多くも冬Tについて書かせていただきます。FBでは冬T感想を英語で書いたのでここでは日本語で失礼します。注意として、特に生産性があるわけでも文学的価値があるわけでもない文章なのでこれを読むくらいだったら今回のモーションのリサーチしたほうがいいと思います。

目次
1今後の冬Tの運営に関して
2大会の感想
3謝辞


1今後の冬Tの運営に関して(国際化・スポンサー)
 今回の参加者の実体験及び口コミ等で今回の冬Tが最終的には大成功であったことは自明だと思うので国際化についてはあまり書きませんが、ジャッジ/ACの国際化やスポンサー召致など海外スタンダードに追いつく為の大きな一歩だという事は改めて明記しておきたいです(特に最近だと同じ北東アジアの韓国中国でもやっています)。運営側でもなくJPDUでもない一般参加者からの視点で恐縮ですが、来年以降のJBP開催への提案をいくつか思いついたのでこの場を借りて書かせていただきます。

(a)  参加費高騰に関して
今回の冬Tで一番話題になったのは恐らく参加費の例年との比較における高騰だと思います。一般参加者として当初は確かに「高い」と思ったのは事実です。
 ただ、蓋を開けてみればアジアでも有数の海外ジャッジ/AC10人程来てくれてモーションもジャッジの質も良く満足度の高い大会であったので、海外の小さい大会へ遠征したり、これは関東勢のみの話になってしまいますが関西へ遠征したりするよりもよっぽどコスパが良い大会だったと思います。別に特定の大会をdisる意図があるわけではないのですが、(関東勢であれば)紅葉杯・Ryosoに行くお金があるなら普通にその交通費の半分くらい払えば参加できるのでいうてそんなに参加費も大きくなかったなあと思います。私だけでなく他の参加者の反応を見る限り同様の感想を持っている人が多いので、参加費自体はICUTのように徐々に許容されていくのではないかと思います。
 一方で、やはり関西/九州/AIU勢の負担は上がってしまうので遠方補助や参加費に傾斜をつける等はJPDU大会であることを鑑みると実施したほうがいいのかなとは思います。関東開催であれば結局関東チーム(及び関東在住の参加者)が多めだとは思うので、関東在住の人間から1500/人くらいとってその分補助に回すとかは特に問題ない気がします。遠方からの社会人の参加については、invited adjとかでなければ要らないとは思いますが。
 浦野さんが仰ってた様に、一年生の参加障壁を取り除いたり貧富の差是正の為に参加費を抑えたりすることは大切だとは思うのですが、同時に一定の大会クオリティをコンスタントに保たなければいけないというジレンマがあると思います。今回コストカットの都合上海外ジャッジにAriBnBに泊まってもらったと聞いて、予選制約の中コミの方々は最善を尽くしてくださったのだなあと感謝すると同時に、ただやはり海外ジャッジのホスピタリティを保つのは翌年以降の参加モチベーションに関わるのでマストだなあと思います。
 こういった問題の抜本的解決策は、スポンサーだと思います。本来はJPDU自体がスポンサーつけられればいいのですが、前伺ったところスポンサー担当の部門が形骸化してるとのことだったので、JBP一大会レベルでのスポンサーを増やしていくことが目標になると思います。今回、恐らく初めてJPDU大会でスポンサーがついてくださり、その会社でインターンをしてる自大学の直近の先輩から遠回しにそのスポンサーの方から感想を聞いたところとても好評でディベートに興味を持っていたようだった、とのことであったので、この先徐々にそう思っていただけるスポンサーを増やしていくことが必須だなと思いました。スポンサー集めに関して全くのド素人なので恐縮ですが、2016年のTokyo NEAOのようにOB/OG等非法人の個人から募るだったり、もしくはICUTのように大会開催の半年くらい前から計画してスポンサーを増やす、の2つの方法を参考にできるのかなと思います。前者に関しては、一口1000円からとかそういうレベルでも、いろんな方々が募金してくれるのでは、と思います。元JPDU役員だったとか、もうディベートはアクティブではないが自大学には愛着がある、という人は意外と少なくないのではと思います。

(b)  大会準備について
 今回、国際化やスポンサー獲得が初の試みであった、という事でかなりコミの方に負担が集中してしまったと思われます(特にTDの浦野さんは死にそうになってました)。会場確保、AC決定、IA召致、IAの宿泊や接待の準備、スポンサー獲得の交渉など大量の業務を短期間でやらざるを得なかった結果色々と凄まじい労働環境であったことは想像に難くないです。ここで、前述したICUTの準備方法や、こちらはよく内情を存じ上げないのですがQDOの準備方法から学べる事があるのではないかな、と思います。端的に言えば、「組織全体で長期的に準備をする」ということです。例えばですが、夏休み前からTDとか各役職を決めて、各役職の人は冬Tまでの大会でも経験を積むとか、コミの資料というかやる事のフローチャート等の共有を徹底するとか。夏休み期間等にスポンサー担当は動き始めるとか。
というのも、今回のコミの働きはとても素晴らしいものであったなあと思うと同時に来年以降同じパフォーマンスを保てるのだろうか?という懸念があるからです。特に海外とのコネや海外ジャッジとのコミュニケーションに関して浦野さんがかなり重要な役割を果たしていたとのことでしたので、そういう人材をJBPのコミとして事前に確保しておくか、組織としてノウハウを継承して教育することが必須であるなと思いました。海外とのコネ等に関してはコミでなくても海外とのコネがある人を巻き込んで協力を仰ぐのが特に必要かなと思います。某ABP DCAだったり某QDO CAだったり、経験も豊富な人がいると思うので、所謂「Adviser」的な人を置くのはいいかなと思います(名前が知られている人がAdviserにいれば広告効果もありますし)

つらつらと書かせていただきましたが、まとめると「スポンサーをこれから増やしていきたいですね」「クオリティ保つために人的資源を確保したいですね」という感じです。偉そうな感じで恐縮ですが、今回のコミの方の働きぶりに不満という意味では決してありませんのでご了承ください。むしろ色々と新しい取り組みをこんな短い間の中で実現してくださり本当にありがとうございました。


2大会の感想
 国際化等についてはFBでも上記でも述べたので、ラウンドで思ったことやラウンド間で思ったことを適当に書いていこうかなと思います。生産的な文章になる予定はないので思うが儘に書きます。
 全体としては、喋るのが早すぎる、というフィードバックを各ジャッジからもらったのでいい加減どうにかしようと思いました。アジアのトップも結構喋るの早くない?と思ってたのですが、録音を聴いたら自分でも何言ってるかわからなかったラウンドがあったので悲しくなりました。多分アクセントに慣れてるかとかそういう複合的要因があるので一概には言えませんが、取りあえず流石に次の大会ではゆっくり喋ろうかと思います。疲れるし。
ラウンドで印象に残ったのはSFGFです。SFは、モーションがTH opposes free movement of persons in Africaでちょうど移民と民族紛争について大量にリサーチしていたので、具体例や数字を出せたので知識って大切だなあと改めて実感しました。某一橋のOBで地上で最も頭のいい人間の一人に分類されるであろうジャッジがスピーチ中ずっと頷いてくれたので嬉しかったです。あと23位が3-2スプリットだったりと競ってたのに対して、私たちは5人ジャッジunanimousでクリア1位だったと聞いて、純粋な勝利の喜びは優勝自体よりかなり嬉しかったです。
 GFは、OG引いた時点でもう帰りたかったのですが、モーション発表直前でレオマールがGFモーションのsensitivityについて話していて滅茶苦茶ラディカルなモーションだったらモラハイ取れなくて社会体にも死ぬしGFも死ぬなと戦々恐々でした。蓋をあければ、「やればよいのでは?」という感じのモーションだったのでOGであったことに感謝しましたが、「やればよいのでは?」という思考のせいで相手の話への反論やpreemptionが出来なかったのは、結果的に勝ったからいいものの、ディベート技術的には大きな問題だったなあと反省しています。
大会後、色んな観客の友人や、GFのジャッジ等がスピーチを褒めてくださったのですが正直色々と複雑な心境でした。というのもGFのスピーチは論理的でもなければ構造もなかったし、ただemotional appealしていただけだったというのが自分の所感だったからです。個人的には私はマター重視なのでそれ以外の部分を褒められたのはまあ嬉しいし自分のスタイルを見直す機会にはなるとは思うのですが、なんだかなあという感じです。今まで見てきた感動的なスピーチ(たとえばWUDC 2010 MG)とかは分析もたくさんあるし、マナー等も数倍いいし、という事で中途半端なスピーチをGFでしてしまい申し訳なかったなと思います。 
個人的にもっと後悔しているのが、そもそもGFモーションの背景知識を、日本のモーションなのにほぼ知らなかったことです。生まれも育ちも日本なのに自国が犯した罪について知らないのはepistemological responsibilityの不履行であり、GFで喋る権利などなかったと思います。「イラストや、感情的なスピーチがとてもよかった」と言ってもらえることが多かったのですが、すいません本当は何も知らないのです。この間読んだ伊藤計劃の本や、暴力表現が得意なイラストレーター・小説家から戦争強姦の描写を多少拝借してスピーチをするくらいには無知でした。特にSFは知識が誰よりもあると自負してスピーチしたし細かい数字まで全部知っていたくらいだったのにGFで自分の無知さを付けつけられたので、大会終わった直後は若干虚無で、打ち上げの居酒屋で一人でwikiとか読んでました。
かつ、「日本の政治」や「日本のフェミニズム」についてジャッジの大半が背景知識がないという事を忘れていたので、「当然」と無意識に思ってしまい説明しなかったのも配慮が足りなかったなと思いました。
 2016年から3回目の出場であり、めでたく優勝できた今大会ですが、マナー・知識について色々新しい意識体験が色々あり、反省・学びの機会だったなあと思います。


3謝辞
 まずは忙しい中大沢杯に引き続き組んでくれたジュリアスに感謝したいです。どっちの大会も優勝したのにジュリアスが毎回個人賞に入ってないのはプレパとかにおいて私がジュリアスをフルに活かすことが出来なった未熟さの証左だな、と反省するばかりです。いい意味でも悪い意味でも性格とかディベートの思考法が似ているのでとても組みやすかったです。また組みましょう。
 次に、繰り返しになりますが運営の皆さん本当にありがとうございました。是非休むなり打ち上げいくなどして回復してください。
 
 まだまだこれからも大会があるので、私含め全員が次の大会ひいては来年のJBPに活かせる何かを得たことを願っています。
素晴らしい写真ですね〜〜!(左端はMotokiさんです)
本当におめでとうございます!

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Organising Committee
Convenor : Mas Urano (Waseda)
Deputy Convenor : Subaru Arakane (ICU)
Communications Director : Tamaki Asao (Gakushuin)
Financial Director : Mizuki Ikeda (Keio)
Tournament Coordinator : Ryohei Shioda (Keio), Kosuke Shoji (Hit-U)
Media Director : Yoko Fujii (Keio)
Tabulation Director: Yuki Kobayashi (Sophia)
Tabulation Team: Ayane Takeuchi (Wase)

Adjudication Core
CA: Leomar Doctolero DCA: Motoki Luxmiwattana, Poke Yu, Senran Tao, Amrit Agastia
Thank you so much!

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