2018年10月6日土曜日

銀杏杯に際して②〜浅尾さんからの寄稿文〜

こんにちは!広報の木對です。
実は9月はずっとインドネシアにいたのですが、日本に帰ってきたのでブログを続々と更新しています。おそくなってごめんなさい。。。

日頃から世界のニュースを追っているディベーターの皆さんはご存知かもしれませんが、
先日インドネシアのスラウェシで地震が起こりました。
関係者の方々へ、1日も早い復興をお祈りしております。

正直、世界中のニュースを全て追いかけることは難しいかと思います。

ただ、皆さんが様々なニュースに興味を持って、様々なニュースをシェアして議論することで、世界は良くなっていくのかなと思いました。

この地震に関しても、私たちが知り、少しでも世の中に広げ、少しでも復興のために努力することで、何か意味があるのではないかと思います。

そういう意味で、私たちがやっているディベートという活動も、世界を良くする一助になっているのではないかと考えています。

そして、今の若い大学生たちがディベート界、はたまた世界を引っ張っているのかな!と思った出来事が、銀杏杯での若い世代の活躍でした。
高校生の活躍のみならず、数々の先輩ジャッジを抑え、Best Adjudicator Awardを獲得したのは、2年生の浅尾さんでした!!!!

ということで、引き続き銀杏杯の寄稿文を投稿します。


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JPDUブログをご覧の皆様
皆様ごきげんよう。学習院大学2年の浅尾 碧城です。
今回中学・高校時代から大変お世話になっている木對先輩よりブログを書かないかと打診して頂きましたので、銀杏杯に関連し、ディベートの世界に足を踏み入れた方々へ向けて少しだけ私の考えをお伝えできればと思います。
 私自身のディベート歴は決して華々しいものではありません。どちらかといえば低空飛行もいいところで、機体が地面をこするんじゃねえかくらいのレベル感です。銀杏杯に関していえば、1年前はブレイクすらできませんでした。だから、大多数のこの文章を読んで下さってる方のほうがよっぽど実力があって、皆さんの方がこういう寄稿文を書くのに近い存在なんだっていうことを心において、読んでもらえると嬉しいです
 また、このブログを書くにあたり、お世話になった方々のお名前を出すか最後まで悩んだのですが、出さないことにしました。如何せん数が多すぎて、書き忘れるのが怖すぎるからです笑。字数と書く体力の関係上、挙げられているエピソードは限られていますが、私のディベート人生に関わってくれた全ての方に感謝しています。


目次
  1. まずはBest Adjを取れたことに関する感謝。半年間の逆転劇
  2. いわゆる中小大学の皆様へ。自分の環境を最大限活用する方法を考える
ディベート界に足を踏み入れてくれた皆さんへ。夢中にならないと楽しくない


1.半年間の逆転劇
 実感がわかない。それが私の8月8日でした。前日のR4で3勝ラウンドを単チェアしてから、塚田農場でセルフブレイクナイトを大好きな先輩方とした時に自分の名前を見つける、という流れが自分を普段と違う気分にさせていました。
 どうせダブルオクトで終わるだろう。正直R3で単チェアに上がったタイミングから、これは普段と違うと勘付いてはいました。ただ、ちょっとチェアやっただけで天狗になってはいけないと思って、必死に自分が思い上がらないよう気を付けていました。元来、調子に乗りやすい性格で、今年の頭にした反省があったからです。
 面白そうだからやってみようか。と軽い気持ちでTitech杯にジャッジとして参加しました。初めてジャッジになったのがこのときです。テスト期間中で練習もちゃんとできていなかったのですが、自分の感覚というかディベート脳が衰えるのが嫌で、参加しようという気になりました。当然ブレイクはできなかったのですが、結果を見てみると、私の点数は8点を超えていました。当時ジャッジとして参加していた同期達のなかで一番点数が高く、ギリギリでブレイクを逃すという結果になっていたのです。もしかしたら自分ってジャッジ上手いんじゃね?という思い上がりをしたまま、ICUTにジャッジ参戦することになったのです。
 え、私の点数低すぎ!?ICUTの予選6ラウンドで一度も投票権をもらえないトレーニーに甘んじた僕についていた点数は驚くべきものでした。なんと4点。やばくない?冷静に。1月に比べて点数がハーフイットしてしまうという驚きの体験。この結果を真摯に受け止めて、自分の実力の無さに向き合いながら頑張ろうと決めました。
 ジャッジに対してリフレク頂けませんか?練習でジャッジをする度にそうやって改善点を探したり、尊敬する先輩方に、困ったことを話してアドバイスをラインで聞いていました。地道に改善して、次こそブレイクしよう。そう思ってNDOに参加しました。でも結果はまたもギリギリでブレイク落ち。なかなかうまくいきませんでした。そんな中、4度目の正直として参加した銀杏杯で、このような成績をいただきことができました。
 すごいよ。本当にすごい。おめでとう!色んな方に祝福していただきました。成績を残している同期への劣等感が消えることはないと思いますが、それでももうちょっと自分に自信を持ってディベートができるかなと思います。今回が初めてのジャッジブレイクです。プライズとって当たり前みたいな、そういうディベーターじゃないです。ここに書ききれないくらい色んな方々にお世話になって時の運もあって、ゆっくり時間をかけてここまで来れました。銀杏杯うまくいかなかったなっていう人も、こういう人も居るんだから自分も頑張ろうって思ってもらえると嬉しいです。


2. 自分の環境を活用する。
 学習院大学は、有り体に言って強くないです。インステができてからの日が浅く、リソースもあんまりないです。でも、そういう大学って少なくないと思います。私がインステの代表になってから、どうしたら良い環境を後の世代に残せるだろうかということに頭を悩ませていました。
 学習院の問題は、1)リソースの蓄積がうまくいっていない事 2)練習に人が少ない事 3)モチベーションに差がある という点にあるなあと感じていました。逆に他の大学に絶対に負けないところは1)大学の立地 2)部屋を借りやすいこと にありました。なので、自大の練習を常に公開し、誰でもこれる状況にすることを考えました。近隣の大学の練習時間を踏まえて、みんなが来やすいような状況にしたり、個人的に人脈を作って練習に来てもらったりするようにしました。自分の大学でいい練習ができれば、他大にいくことが難しい人でも上達する機会が得られます。
 ディベート界は優しい人がたくさんいます。私もそういう人たちの優しさに助けられながら力をつけることができました。自分のインステにも簡単には真似されない強みを作ることができました。そんな立地がいい大学ばっかりじゃねえよっていう人も多いかと思いますが、それでも何らかの形で自分の大学の強みを発揮できる場所がくるかと思います。一緒に頑張りましょう。
 もう1つ中小のいいところというか、やりがいみたいなものがあると思います。残念ながらブレイクすることが普通でないという大学もたくさんあるかと思います。でも、そういうインステだからこそ、成績を残すとたくさんの人に祝福してもらえます。ブレイク発表があるとたくさんの方からメッセージを頂けますし、こうやって賞を取れたりすると会場の皆さんが祝福してくれます。こうやって寄稿文を書く機会も頂けたりします。逆境だからこそ、一回一回の成績の価値が高まると感じています。少しずつでもいいから実力を伸ばすために挑戦し続ける楽しみがあると思います。


3. 夢中にならないと楽しくない
 ディベートという競技に出会ってから、長いものでもう8年になります。私の中高そして大学生活はこれに彩られ続けてきました。他の人に比べて頑張っていたか?と聞かれるとそうでもないので、成績自体はパッとしないのですが、それでも、長く関わり続けてこれたのには、ディベートに対する考え方に理由があるなあと思います。もちろん競技に対する考え方は多様だと思いますし、これが正解だなんて思っていません。ただ、ディベート1年生の皆さんや、もうやめようかな…と思っている方の参考になれば嬉しいです。
 一番大きな続けられている理由、それは、勝ち負けを第一には考えないことです。誤解を生みたくないので最初に断っておきますが、勝つのは大好きですし、常にブレイクや、本戦で勝ち上がることを考え続けています。練習も自分が出来る限りたくさん、週5日とかは平気でやります。だから勝ち負けがどうでもいいなんて思ってはいません。ただ、勝ち負けだけが目的になると、ディベートという競技はつまらないものになってしまうと思っています。なので、自分の好きな議論を提出するということ心がけています。換言すれば、基本的な議論をベースに、自分ならではの観点を盛り込んで、自分ならではの伝え方をするということを目指しています。それがジャッジにストレートに伝われば勝てるし、伝わらなければ勝てない。勝てないなら自分の考えとか伝え方を修正して、次こそは理想的な勝ち方が出来るようにする。という過程そのものを楽しむようにしています。日本語のアカデミック出身ということもあり、自分の考える最良の議論を温め続けて、試合の場で提出する。そしてそれを評価してもらって投票をもらうという過程が魅力的に感じます。
 壁を感じたりとか、人間関係とか、ほかに夢ができたとか、いろんな理由でディベートから離れざるをえない人はいると思います。それはむしろいいことだと考えています。ただ、そういう時にディベートをやっていてよかった!と心から思えるようになるためには、自分なりの楽しみ方を手に入れるのが一番だろうなあと思っています。また、ディベートの勝ち負けは恣意的であり、そこが醍醐味でもあると感じています。だからこそ、勝ち負けを越えた関わり方を持って欲しいと感じています。かっこいいスピーチをすることでも、誰も思いつかない議論を出すことでも、友達を作ることでも、矛盾するようですが、別に成績を残すことを目標にしたっていいと思います。なんでもいいから、競技を通してやりたいことを見つけて、そのやりたいことに対して本気になって欲しいと思っています。
 僕自身、いつかは引退することになると思います。ただ、その時に、ディベートに出会えて良かったなって思えるように、今後ともディベートを楽しんで関わり続けられるようにしたいなと考えています。
いい写真!おめでとうございます!

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